先月号に引き続き、教訓的な患者さんの経験を紹介します。
1年前Cさんが前医の紹介状をもって受診しました。
降圧剤2剤で自宅血圧150~160/80とやや高めです。
しかし、通院を始めてから次第に血圧が上昇、3剤目、4剤目とくすりを増やしますが160/100と高値が続きます。
塩分制限も行ない、運動も毎日1万2000歩から1万6000も歩いているのに充分な改善が得られません。
阪大の難治高血圧外来に紹介し、本人の希望で2週間入院、退院後は120/70と安定しました。
入院して塩分制限の食事を食べたことから、我流の塩分制限が不十分だったことがわかった、と言います。
それでも減塩の食事に体を慣らしていくのは大変だった、と述懐します。
くすりは4剤のままですが、高血圧治療の基本は塩分制限だと教えてくれた症例です。
Cさんの努力に拍手を送ります。
何十年来茨木診療所に通っているDさんは、私が赴任した3年前には糖尿病でインシュリンを打っていました。
午前の受診時にアルコールのにおいがすることもしばしばありました。
アルコールでのトラブルが増え、家族から相談を受けました。
専門病院を受診することを不承不承ながら納得させ、入院治療を受けました。
そして、退院後3年、今も断酒を続け、糖尿病は改善し、インシュリンは中止となりました。
治療を受けたのが70代後半、専門病院でも断酒を実行し継続できている最高齢だと評判になっているそうです。
なぜ断酒できたか?
本人に聞いてみると入院中に出会った患者さんは独り者の男が多く、入退院を繰り返し、人間として荒廃していた、自分はそのようになってはみんなに迷惑をかける、と自覚したとのことでした。
人間何歳になっても、周りの支えと本人の自覚があれば何でもできるのだと教えてもらいました。
《消費エネルギーの量を増やす》
ウォーキングなどの有酸素運動や、短時間の運動の積み重ねが大切です。
階段を使う、歩いて買い物に行くなど、日常生活でこまめに歩くことが、血糖値を正常に保つ上でとても効果的です。
《筋肉量を増やす 運動もおすすめ》
ダンベルなどを使う無酸素運動で筋肉量を増やすと基礎代謝を上げることができて、エネルギーの消費を増やす効果かあります。
《ストレスは血糖値の上昇に関わっています》
運動で気分転換し、体力をつけ、快適な日常生活を送る。
睡眠と休養を十分とる。
好きな音楽や絵画や映画や書を楽しむ時間を大切に時間を大切にすることもストレス解消に役立ち、血糖値の上昇を妨げるのに役立ちます。
茨木診療所 所長
安達 克郎
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