昨年11月7日~14日、大阪社会保障推進協議会(大阪社保協)主催のフランス・パリ社会保障視察に行ってきました。
今月は最終報告記(その3)『フランスの子育て支援、全国家族手当金庫見学』です。
フランスではほとんどの家庭が共働き。
20~49歳女性就業率は82%で、3歳未満児をもつ家庭でも68%の就業率です。
家族支援の事情を聞くために、全国家族手当金庫を訪問しました。
実際に子どもができたとき、7ケ月目に幼児迎え入れ手当て10万7千円が支給されます。
そして出産は無料で母親は月給100%保障で16週間の産休が与えられます。
子育ての方法は様々な選択ができます。
育休を選択した場合、最大3年間、月6万6千円の育休手当てが与えられます。
仕事を続ける場合、パートタイム復帰で月1万7千円~5万4千円の支給、フルタイム勤務では、保育園に預けると2割自己負担、保育ママ宅に預けると3万2千円の援助、保育ママに自宅に来てもらうこともできます。
祖父母に預けても、月2万1千円の支給があります。
また、子ども手当が第2子以降は月額1万4千円、第3子以降は月額1万8千円が20歳まで支給されます。
学校に上がると毎年新学期手当が、小学校3万2千円、中学校3万6千円、高校4万2千円支給されます。
第2子を2年後に持った家庭で、日本(民主党政権前、月5千円10歳まで)とフランスの子ども手当てを比べてみると、日本は第1子が2歳~10歳まで年額12万円なのに比べ、フランスでは第1子が2歳のとき、70万8千円もの支給があります。
日本では第2子が10歳になると子ども手当はなくなりますが、フランスではそれ以降も年額30万円近くが20歳まで支給されます。
貧困家庭では、住宅費の4分の3が支給されます。
保育制度なども充実され、フランスは合計特殊出生率(1人の女性が生涯生む子どもの数)が2.0(EUで最高)となりました。(日本は1.37)
家族政策の国家予算はGDP比4%で、家族手当金庫が60%、税金で40%をまかないます。
しかも家族手当金庫の財源は100%使用者の拠出で労働者の負担はありません。
あくまでも労働者の豊かな暮らしを保障するのは使用者の責任で、国はそれを後方支援する形になっています。
私たちもフランス並みの子育て支援を政府に要求していきたいと思います。
◇3回連続で報告しましたフランス紀行いかがだったでしょうか。
ぜひ感想をお寄せ下さい。
茨木診療所 所長
安達 克郎
〒567-0824
茨木市中津町2-4カシックスビル3階
TEL 072-665-5927
FAX 072-665-5801
TEL 072-646-6262
FAX 072-665-5751
TEL 072-665-5750
FAX 072-657-9308