認知症の方を支える地域ネットワークづくりが進んでいます。
認知症への対処を考えるためにこのコーナーで何回かに分けて取り上げます。
認知症は、多い順に
①アルツハイマー型認知症
② 脳血管型認知症
③レビー小体型認知症
④前頭側頭型認知症の4タイプがあります。
脳のどの位置が侵されるかによって、その症状の現れ方、進行速度、治療薬が少し異なるので説明しておきます。
脳の中に異常な蛋白(アミロイドβ蛋白とタウ蛋白)が溜まり、脳の神経細胞が徐々に減っていくために起こります。
画像検査(頭部MRI)では、側頭葉内側部にある 海馬、海馬傍回、扁桃体など、記憶をつかさどる部位の 萎縮が目立ちます。
したがって、最も目立つ症状は物忘れです。物をどこに置いたか思い出せない、最近あったことを思い出せない、約束を忘れるなどです。
古い過去の記憶は比較的保たれます。
病気の進行に伴い、時間、場所、人物の順に分からなくなっていきます。
脳出血や脳梗塞により、脳の神経細胞が障害されたときに起こります。
障害された部位によって、手足のまひ、言葉の障害、飲み込みの障害、感覚障害などの神経症状が起きます。
それらが、認知機能にも障害を与えます。
画像検査(MRI)検査で障害された部位がわかります。
認知症状は脳梗塞や脳出血が起こるたびに階段状に症状が進行するのが特徴です。
細い血管が少しずつ詰まるタイプの脳梗塞では緩やかな進行をたどることがあります。
脳の広い範囲にレビー小体という異常な蛋白が溜り、脳の神経細胞が障害されます。
1990年代後半に広く知られるようになった比較的新しい病気です。
アルツハイマー型認知症とは少し違った症状の出方をします。
3徴と呼ばれる、
①認知機能の変動(いい時と悪い時の差が目立つ)
②繰り返し出現する幻視(いないものが見える)
③パーキンソン症状(運動がぎこちなくなる、手が震える、体の筋肉や表情が硬くなる)
の3つの症状が出現するのが特徴です。
アルツハイマー型に比べ物忘れの症状は軽度です。
前頭葉と側頭葉の神経細胞が少しずつ壊れていくタイプの認知症です。
初めに現れる症状は、他人に配慮することができないとか、周りの状況に関わらず自分が思った通りに行動してしまう、といった性格変化や行動異常です。
他の認知症に比べ若年で発症します。
認知症かなと思ったら、スクリーニング検査として長谷川スケールがよく利用されます。
30点満点の20点以下で、 認知症の疑いが強くなります。(長谷川スケールは茨木診療所で検査できます)
認知症の正確な診断と治療方針を決めるためには、専門医の受診をお勧めしています。
専門医へは大体3回の受診が必要になります。
1回目は詳しい問診と診察、2回目は画像検査、3回目はその結果から治療方針(治療薬を決める、認知症患者さんへの対応の仕方の指導)について説明を受けます。
症状が安定してきたら、専門医と連携しながら、投薬等はまた茨木診療所で行っています。
茨木診療所 所長
安達 克郎
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