認知症の原因の約6割を占めるアルツハイマー病の発症に、生活を取り巻く環境の影響が大きく関わっていることが分かってきました。
脳の状態を良好に保つための食習慣や運動習慣、認知機能を重点的に使うために対人接触を行うことや知的行動習慣を意識した日々をすごすことが重要だと言われています。
1.食習慣
野菜・果物(ビタミンC、E、βカロチン)をよく食べる。
魚(DHA、EPA)をよく食べる。
赤ワイン(ポリフェノール)を飲む。
2.運動習慣
週3日以上の有酸素運動をする
3.対人接触
人とよくお付き合いをしている
4.知的行動習慣
文章を書く・読む、ゲームをする、博物館に行くなど
5.睡眠習慣
30分未満の昼寝 起床後2時間以内に太陽の光を浴びる
認知症という病気に至る前の段階では、通常の老化とは異なる認知機能の低下がみられます。
この時期に最初に低下する認知機能が、「エピソード記憶、注意分割機能、計画力」です。
これらの機能を鍛えることで認知機能の低下を予防します。
エピソード記憶 ( 体験したことを記憶として思い出す能力 )
2日遅れ、3日遅れの日記をつける。レシートを見ないで、思い出して家計簿をつける。
注意分割機能 (複数の事を同時に行う時、適切に注意を配る機能)
料理を作るときに、一度に何品か同時進行で作る。
人と話をするときに、相手の表情や気持ちに注意を向けながら話す。
仕事や計算をテキパキと行う。
計画力( 新しいことをするとき、段取りを考えて実行する能力)
効率の良い買い物の計画を立てる。
旅行の計画を立てる。
頭を使うゲーム(囲碁・将棋・マージャン等)をする。
やり慣れたことでなく新しいことをする。
1. 塩分と動物性脂肪を控えたバランスのよい食事を
2. 適度に運動を行い足腰を丈夫に
3. 深酒とタバコはやめて規則正しい生活を
4. 生活習慣病(高血圧、肥満など)の予防・早 期発見・治療を
5. 転倒に気をつけよう 頭の打撲はぼけ招く
6. 興味と好奇心をもつように
7. 考えをまとめて表現する習慣を
8. こまやかな気配りをしたよい付き合いを
9. いつも若々しくおしゃれ心を忘れずに
10.くよくよしないで明るい気分で生活を
前頭葉と側頭葉の神経細胞が少しずつ壊れていくタイプの認知症です。
初めに現れる症状は、他人に配慮することができないとか、周りの状況に関わらず自分が思った通りに行動してしまう、といった性格変化や行動異常です。
他の認知症に比べ若年で発症します。
1. 【コミュニケーション】語らせて微笑みうなずきなじみ感
2. 【食事】工夫してゆっくり食べさせ満足感
3. 【排泄】排泄は早めに声かけトイレット
4. 【入浴】機嫌みて誘うお風呂でさっぱりと
5. 【身だしなみ】身だしなみ忘れぬ気配り張り生まれ
6. 【活動】できること見つけて活かす生きがい作り
7. 【睡眠】日中を楽しく過ごさせ夜安眠
8. 【精神症状】妄想は話を合わせて安心感
9. 【問題行動】叱らずに受け止め防ぐ問題行動
10.【自尊心】自尊心支える介護で生き生きと
認知症予防の生活は次のようなものになります。
魚と野菜主体の食事を腹7分目くらい食べ、ポリフェノールをたくさん含む緑茶やワインを飲み、毎日30分以上の運動し、楽しく頭を使い、高血圧や脂質異常症(高脂血症)をきちんと治療し、禁煙し、さらにこれから発見される予防策を組み合わせれば、アルツハイマー病を5~10年遅らせることが可能な時代が迎えられるでしょう。
茨木診療所 所長
安達 克郎
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